建築士インタビュー
家づくりについての考えを
インタビューしてみました。
尖ったデザインに気を取られていた過去の自分。
家に本当に必要なものとは?
設計という仕事につきはじめて15年がたちました。 駆け出しの頃は、ただデザイン性の高い住宅をカッコイイと思っていました。
流行りを追いかけ、斬新な表現をしていた過去。
しかし、はたして本当にそれでそこに住む人達が満足した暮らしができているのか?居心地がいいと感じてくれているのか?普遍的な居心地の良さとは?と思うように考えが変化していったのです。
昔から人は、住宅に「暮らしの快適さ」を求め続けていたのです。
住宅とは、人が住むための居場所。
大昔、人は雨風をしのいで安心して寝ることができるためだけに住宅をつくりました。それが現代においては、炊事、洗濯、くつろぎ、など、生活の中で行うコトにおいての、利便性や安全性も取り込み、住宅は今日まで進化し続けてきました。
そして、住宅とは、家族の暮らしが詰まった居場所になったのです。
人が日々の暮らしの中での不便さを解消し、「快適に暮らす」事に知恵を絞って追求し続けた結果、今の住宅があるのです。そう思うと人が住宅に求めることというのは、かっこよさではなく、昔からずっと「居心地の良さ」だったのだという事に気がついたのです。
建築士になろうと思ったきっかけは、 気持ちの良い目覚めをさせてくれた光の力に感動したからなんです。
もともと僕が、設計という仕事につきたいと思ったのは、「ハンモック」。
実は、屋内じゃなくて屋外なんです。
友人とキャンプに行った時にハンモックでそのまま朝まで寝たことがあるんです。 朝になって目を閉じているのに、瞼の裏に、差し込んでくる光と木の葉の揺らぐ影を感じて、自然と目が覚めたんです。
その時の目覚めがあまりにも気持ちよくて、「光の力ってすごいな」って思ったんです。こんな光で毎朝目覚められたらいいな。と。
今や、技術が驚く程の勢いで進歩していっています。人が不便だと感じる大抵の事は技術が取り除いてくれるようになりました。 住宅にもIOT化が進んできています。 ただ、不便な事を取り除いただけで、暮らしが豊かであると言えるのか。 あの時に感じたハンモックでの目覚めこそ、暮らしの豊かさなんじゃないかと思ったのです。
「zutto」というブランドにこめる想い。
それは変わり続ける時間を一緒に過ごす住まいにおいて、
暮らしの中に小さな喜びや感動を見つけられること。
常に住む人にとってしっくりとくる居心地のいい居場所を与え続けられること。
日々の時間を大切にした存在でありたいと考えています